翻訳業界の用語集


翻訳者として知っておくと便利な翻訳業界の用語集

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トライアル

翻訳会社が、新規翻訳者を募集する際、少量の(一般的には400字~1200字程度)の文章を翻訳し、翻訳会社側で実際に案件の依頼が出来るレベルなのかを判断するもの。(トライアル翻訳)
「では、トライアルとしてこのテキストを翻訳してください。」という感じで指示がある。
この場合はお仕事では無いので翻訳料金は得られない。トライアルに合格すれば翻訳会社に登録されることになるので、細かいミスなどが無いよう十分注意しましょう。(ただし、答えあわせではないのが翻訳なので、いくら翻訳がきちんとしていても、翻訳会社の評価のポイントも違いますし、例えば募集人数などによっては、合格とはならないかもしれません。)

また、実際の案件をソースクライアント(翻訳の発注元企業など)が発注する際に(特に大型の翻訳案件の場合など)、翻訳会社側にトライアルが課せられる場合があり、翻訳会社は当該案件に適した翻訳者さんに依頼をしてクライアントへ訳文を提出する。
この場合、通常は翻訳会社側が費用を負担し、翻訳者さんには翻訳料金をお支払いする。
評価がよければ翻訳会社としても、翻訳者としても大型案件の受注につながるので、いつも以上に気合を入れて取り組む必要があります。(いつも気合を入れないといけないのですが。。)

コーディネーター(PM、プロジェクトマネージャー)

翻訳会社の担当者で、翻訳案件を翻訳者さんに割り振る=コーディネートする人。
大きい翻訳会社になると、ソースクライアント(翻訳の発注元企業など)とのやり取りは「営業担当」が行い、翻訳者さんとのやり取りは「コーディネーター」が行うというように、役割分担されていることもありますが、営業とコーディネートの両方を同じ人間が担当する場合も多いです。
また、PM(プロジェクトマネージャー)といわれる場合もあります。

チェッカー

校正者とも。翻訳会社内部、或いは在宅の方で、翻訳後・クライアントへの納品前に誤訳やヌケ、入力ミスが無いかチェックする担当者のこと。特に英語以外の言語では翻訳できるほどその言語を理解していない担当者がチェックを行う場合もあるが、上手に翻訳の間違いなどを指摘できるかどうかは必ずしも当該言語に精通している必要はない。ただし、チェッカーとしても経験が浅く、当該言語に明るくないチェッカーの場合、やはり上手にチェックができない(必要のないような粗探しのような指摘)場合もある。
翻訳者が案件によってチェッカーとしての作業を行う場合もあれば、コーディネータが兼務する場合もある。
また、翻訳会社によっては、チェッカーとして経験を積んだ上で晴れて翻訳者に登録、というところもある。

プルーフリーディング

翻訳者の仕上げた翻訳データを、他の人間(一般的にはターゲット言語のネイティブ)が読んで不自然な箇所がないか確認する事。(一般的には原文とのクロスチェックは行わずに、訳した文章のみで校正する)

クロスチェック

翻訳原稿と翻訳後の文章の両方を見ながら間違いやヌケなどがないかチェックをすること。

リライト

文章を(用途や使用する国、文化、環境などにあわせるなどの目的やその他の理由で)書き直すこと。
クロスチェックやプルーフリーディングを行って訳文を修正する作業は「チェック」の括りになるが、リライトは原文からの翻訳としてというよりも、訳後の文章の完成度を上げるために、原文から離れて書きなおしたり書き加えたりすることをいうことが多いが、訳文の修正も含めて書き直すこと全般をリライトということも。

ソース言語

翻訳原稿の言語のこと。英文和訳なら英語。

ターゲット言語

翻訳後の言語のこと。英文和訳なら日本語。

ローカライズ(ローカライゼーション、ローカリゼーション)

本来は翻訳の際にその国の文化や、対象(例えばウェブサイトなど)の想定ターゲットの生活習慣なども考慮して、「現地語化」することまで含まれるているが、ほとんどの場合、「翻訳」と同義語としてとらわれる。

スタイルガイド

翻訳会社が定める翻訳をする上でのガイドライン。通常はクライアントや翻訳のジャンルによってカスタマイズする。
翻訳者による表現(記号類の扱いや送り仮名のほか、インデントやフォントサイズなど)を統一するためのルール。すべての案件に対して指定するものもあれば、大型案件を複数の翻訳者で対応する際に個別に定める場合もある。

ノンブル

原稿のページ番号。元々は出版業界で使われる表現。
目次などがあるような原稿の場合など、ファイルとしてのページと、原稿データに書かれているページ番号が違ってくることがあり、コーディネーターとのやり取りで齟齬の内容に使い分けるようなときに使用する。
「ファイルでは10ページ目(ノンブル6)にある図の部分は、翻訳の対象外です」というように使う。

DTP(ディーティーピー)

デスクトップパブリッシング、Desktop Publishingの略。
印刷用のデータ編集などをPCで行うこと。(本来は印刷するまでを含む。)
ワードやパワーポイントでの編集作業は通常DTPとは言わず、専用のアプリケーションでの作業をいう。
Adobe社のIllustlator(イラストレーター、通称イラレ)やInDesign(インデザイン)、MacのQuarkXPress(クォークエクスプレス)などがシェアの高いDTP用のアプリケーション。

トラドス(Trados)

翻訳支援ツールの代表格といえるソフト。簡単にいうと、「翻訳メモリ機能(翻訳原文と訳文のセットを登録するデータベース)があり、新規の翻訳原稿に対して、翻訳作業時に、同一文や似通った文をデータベースから表示することで、翻訳のスピードと統一性を向上させる」ソフト。
製品マニュアルなどではマニュアル内部で似通った表現が多いこと、シリーズで類似の表現が多いこと、ボリュームが多い場合があることなどにより、トラドス(Trados)を利用しての作業がその威力を発揮することが期待できる。

訳文ごとにメモリ化されたデータベースに対する「マッチ率」が判断され、たとえば90%以上のマッチ率に対しては単価は○円、○○%までは単価○円など、マッチ率に応じた翻訳単価が設定される(一般的には100%マッチに対しても確認が必要との認識で小額の単価が設定される)ことが多く、全体の文字量に対して翻訳料金は抑えられることになる。もちろん翻訳効率は良くなるのでそれでも作業に見合った料金にはなるかもしれないが、トラドス(Trados)を利用することでもっともメリットを享受するのはソースクライアントである。
クライアント側からの指定ではなく、翻訳者個人が利用すれば効率、精度の向上が期待できるが継続案件がある程度無ければ、操作の習得やデータベースの管理や安価ではないコストも含めて、導入に見合うものかどうかは判断が難しいところ。

べた打ち

ベタ打ち、べた入力とも。レイアウトなどをしないで翻訳テキストを入力していくこと。
翻訳原稿がある程度レイアウトされたものでも、訳文をその通りにレイアウト(フォントの色を変えたり、サイズ調整など)するがない場合にコーディネーターが「訳文はべた打ちでOKです」といった指示を出します。
原文の下線は訳語にも反映させるなど、最低限の処理が必要な場合もあるので、確認しましょう。
(対義の指示例:「上書き」ワードファイルなどの原稿に上書きする場合など。太字にしたり、フォントサイズを変える必要がある。)

上書き

翻訳の際、翻訳テキストをワードファイルやパワーポイントなどの原稿データに置き換えていくこと。
原稿にあわせて太字にしたり、フォントサイズを調整したりする必要がある。
原稿よりも訳文が短くなる場合は割りと苦労しないが、長くなる言語方向の翻訳(例えば中国語→日本語や、日本語→英語)の場合はレイアウトを整える作業が場合によって煩雑になるので、どの程度まで調整が必要か確認しましょう。(微調整は翻訳会社側で行う場合が多いと思います。)
(対義の指示例:「べた打ち」翻訳原稿がPDFや画像データの場合などで、訳文をその通りにレイアウトするがない場合。レイアウトを気にせずテキストを順に入力していく。)

表組み

作表とも。翻訳原稿の文章部分以外に表形式のデータなどがあるばあい、翻訳データでもその表を作ること。コーディネータから「表組みもお願いします。(微調整は不要ですので、、)」というように指示される。(表は作るが、数値の入力などを一連の翻訳作業としてする必要があるのか、確認が必要です。数値入力はレイアウト調整とともに翻訳会社側で行う場合も多いです。)

番号処理、ナンバリング

レイアウトされた原稿を翻訳する際に、翻訳者以外(例えばDTPなどレイアウト編集を行う担当者)でも、どの部分の原文に対する訳語なのかわかるように、原稿に番号を振ること。訳文も同じ番号を入れたうえで入力する。

分納

分量の多い翻訳案件などで、翻訳会社のチェックの時間やその後DTPを行う際など、翻訳とその後の作業を平行して進める場合に、翻訳が出来た部分から順次納品することをいう。
「最終納期は3月末、3月10日に第2章まで、3月20日までに第4章まで分納をお願いします」というように指示される。
ただし、先に分納した分について、後半の訳を進める上で変更したい箇所が出てくることもあるということは翻訳会社、翻訳者とも認識しておく必要があり、その場合は既に納品した部分のうち、どこを変えたのかわかるようにして修正を加える(報告する)必要がある。(上記のようにDTP作業を進めている場合などに、どこが変わったかわからないと困ってしまいます。)